あらしのよるに 雪はふる

みなさん みなさんの住んでいらっしゃるところは 雪が降っていますか? こちらは おひるすぎから おおきなボタン雪が 淡いグレーの空から しきりなしに 降っています。

庭も車もまっしろです。朝 5年2組の教室のなかにも 雪が 降りました。あらしのよるに ご存じですか? オオカミのガブと ヤギのメイがあらしのよる 偶然 真っ暗な小屋の中であらしを避け 雨宿りするところから ものがたりは はじまります。

ヤギをエサとして喰う立場のガブと 喰われる立場のメイが しだいにこころをひらき 友情をはぐくんでゆくのですが 群れの掟はそれをゆるしません。居場所がなくなった ガブとメイは新天地に向かい 旅立ちます。『あの高い山の向こうに きっと緑の森がある オオカミとヤギが宿命をのりこえ 仲良く暮らせる 森がある』 

メイの盲目的な 信念に ...... 従うガブ  けれども山を登るにつれ 白い雪が降りだし やがて吹雪がふたりを覆い隠す ...... 『わたしはもうダメ もう歩けない....』『メイ メイ あきらめるな!オレをひとりにしないでくれ!』

ガブは 雪穴を掘って メイをあたためる けれども次の日も その次の日も 雪はやまず 飢餓がふたりを襲う ...... 『ガブ わたしを食べて..... わたしの分まで生きて.......』そのあと ふたりは どうなったでしょう。

子どもたちは みじろぎもせず 聴いてくれました。『あらしのよるに』 は 献身のものがたり 究極の 愛 のものがたりですね。

ひとは 食べなくては 生きて ゆけません。 これは 人間の摂理 神の定めたもうた 決めごと。実際 食べなくても 生きてゆけるのであれば 人間の業苦は 半減するとは思います。どうじに 生きる理由 生きるよろこびも変質しますけれど。

みなさん 太平洋戦争における日本兵の死因をご存じでしょうか? その60%が 餓死でした。 日本の上つ方は ナポレオンの軍隊を目指されました。ナポレオン軍の食糧は 現地調達だったのです。日本兵は ジャングルをさまよい ありとあらゆるものを食べました。へびなどはご馳走でした。最終的に 侵してはならぬ ひととしての のり (則・法)を 飢えた日本兵は犯すのです。

『男たちの戦争』の 構成 ラフスケッチが 浮き上がってきます。さて どこまでいっていいのでしょう。

この学校の 朝のおはなし会は 縮小されることになりました。『みんなに いままでのように会えなくなるけれど 本をたくさん読んでね 勉強もスポーツも 楽しんでね 元気でね』と別れを告げて 教室を出ました、すこし 胸が詰まりました。おはなし会のメンバーのみなさん 縮小されることに がっかりしていらっしゃるかなと 控室に戻ったら ......

みなさん さっぱりと お元気でした。雪あかりのような あかるさ ..... 困難は ひとを磨きますね。 できることはたくさんあります たのしいことたっくさんしましょうね .....