旧友 癒しの手

かつて 『語り手たちの会』で 出逢い 無二の同志であった Rさんが 千葉からやってきました。不思議なことに (あたりまえといえばあたりまえですが) 二日ばかり玲子さんのことを考えていて きのう突然のTEL 今日の来訪となったのです。すっきりした綺麗なお顔でした。45年前からあるカフェの名店『どんぐり』で珈琲とママお手製のチーズケーキをいただきながら 話しました。

わたしたちに残された人生の『課題』は おなじでした。ふたりとも 自分のやるべきこと やりたいことを それこそわき目もふらず 獰猛なほど真剣に やってきた.... それに悔いはないのですが 急ぐあまり たいせつなものを もしかしたら最も大事なものを ぽろぽろと落としてしまったりもしたのです。そして 人生の終盤になってやり残したことの重さにたじろぎ 何とか取り戻そうとあせっています。

さて Rさんと始めて 会ったのは どこかのおはなし会でした。そのころわたしは肢が不自由でした。面識もないのに Rさんは わたしの肢をかかえあげて駅だったかバス乗り場だったか 公衆の面前でヒーリングをはじめ、私は心底驚きました。だって そんなことするひとはいませんでしょう? その掌のあたたかい感触をいまも覚えています。

実は わたしも 滅多にしませんが ヒーラー(癒し手)でもあります。ある日 必要を感じて Rさんとともに Rさんの子ども時代に降りてゆきました。そこであったことは ここには 書きませんが Rさんは おとうさんと和解し おとうさんを取り戻し ひいては ご主人を取り戻したのでした。

Rさんはカタリカタリに在籍し 公演に参加し 珠玉のパーソナルストリーを残しました。いま ようやくすがたをあらわしはじめた この世の闇についても 話が合いました。『これからは自給自足よ』とみなさんにつたえたそのことを あっという間に 実践したのは Rさんだけでした。

脳梗塞で ドクターヘリで運ばれ 命が助かったり 千葉を襲った暴風雨で 家が全壊したり 幾多の苦難を乗り越えたあなたは これからなにがあってもその腕で受け止め まっすぐ 前に進んでいくでしょう。

あぁ そうです 語りもヒーリングなのですが 単にやさしい癒しではないと思います。揺さぶる 不要なモノをはらい落とす 再生 甦り 真我を取り戻し 全きモノとひとつになる 儀式です。