小野上温泉

普通電車を乗り継いで小野上温泉に行きました。小野上温泉駅は無人駅 あるいて5分 宿がありました。かけ流しのちいさな宿 美味しい食事 佳き時をすごしました。グランドホテルみたいな温泉ですと お食事処や大浴場まで登ったり下ったりあるくのがたいへん 迷子にもなりますが 数歩で温泉(個室です) 10歩でお食事 ちいさな宿はいいですね。
ロビーにあった東野圭吾さんの「分身」クローンもの を二時間かけて読みました。東野さんや宮部みゆきさんはストーリーテラー 読みだすと惹き込まれ読み終わるまで手放せないのですが 読後 消えてしまって残らない。数年後 読み返しても新鮮なので ある意味コスパが高いです。一方 一度読んで 心臓をわしづかみにされ 終生忘れない 作家もいらっしゃるし 作品もあります。得てしてそのような作家こそ 名前は記憶の彼方に行ってしまうのですが.....  年に一度はそのような作家 作品に出会いたいものです。わたしも名前は忘れ去られても 聴いた方が一生 そのものがたりを忘れないような語り部でありたいです。

温泉には都合9回入りました。対馬丸 ご存じでしょうか? 疎開船対馬丸は1944年8月21日 本土へ疎開する子どもたちやおとなたちを乗せて 那覇港を出港しましたが翌22日 アメリカ軍の魚雷により沈没 多くの子どもが亡くなりました。

31日は その 「対馬丸」を 語ります。 ものがたりを自分のなかに入れるには 情景をまざまざと 「視る」ことからはじまります。温泉はたちまち沖縄の青い海になりました。貨物船対馬丸はガラガラ崩れて ひとやものが海に落ちてゆきます。船は爆発 真っ赤な炎があがり その波で救命ボートはひっくり返り 子どもたちがポンポン落ちて海に引きずり込まれてゆきます。子どもの叫ぶ声がする 泣く声がする 台風で波は荒く ......