その弐 きっかけは.... グラスハート だったんです 改稿

グラスハートの9回目 朱音ちゃんの....

「あたしもなんです 先生への気持ちが 愛なのか 尊敬なのか それとも恐怖
 なのか..... わからなくなってしまうんです」
この セリフが 胸の奥に刺さり 整理していた過去のリサイタルの写真と記憶と 
シナプスが つながって 気が付いたんです。20年近く経って........

コンサート”夏物語” ”もうすぐ春の” 写真の先生の目が わらっていらっしゃら
ないことに .....
コンサートにゲストとしてお呼びするのも 先生のレパートリーを つぎつぎと 
語ってゆくのも わたしは 恩返しのつもりでした。 
.....雪女 空と海と大地の話 ディアドラ..... 今 思えば恐れげなく手を伸ばした...

忖度なんて知らないし ただ ただ 先生のあとを 追っていたのだけれど ......
ご迷惑だったと 思います。

そういえば 喫茶「ミニヨン」でひらいた 櫻の会『四つのものがたり』 で
”空と海と大地の話” 語りたかったわたしを 先生は制した、他のものがたりをと。
このものがたりは キャシー宮田さんから 聴いたそのままを 再話したのですが 
先生はそのものがたりを「空のお姫さま」というタイトルで本にし語っておられた。
おなじストーリーテラーからの再話でありながらそれはまったく色あいのことなる
ものがたりだったのです。

『櫻の会』とは ASK.....朝日TVアナウンサースクールの 櫻井先生の講座から 
生まれた会です。時をおいて都合3回  9つのものがたり  7つのものがたり 
4つのものがたりをひらきました。メンバーには語り手たちの会の野田登志子さん
高橋裕美さんがいました。

先生は初回の9つの....には 参加されませんでしたが 7つの.... 4つの..... には
参加され そこで語られたのは先生の数ある語りのなかでわたしのもっとも好きな
作品です。タイトルはうろ覚えですが”名残の薔薇” ”月光”あるいは”月光のソナタ”
でした。

このチラシは習作です。実際に使用したものは 残っていません。



さて わたしは海外のストーリーテラーからストーリーテリングの真髄を学び
ました。ひとことでいうなら ものがたりの 『芯』スピリットです。
そして わたしたちストーリーテラーは ”つなぎ目”であるということ。

キャシーはストーリーテラー リンはアーティスト LTTAの講師でした。
わたしは キャシーの追っかけをしていました。キャシーは先住民の血をひき
夫は日本人 その語りはエネルギーに充ちて ときに荒々しくさえありとても
スピリチュアルだった。 そして彼女はマジで 「カナダのわたしの家に寄宿し
て学びなさい」 と誘ってくれたのです。行けるものなら 行きたかった。 
けれど 子どもたち・家業をおいては 行けなかった。
リンは 『あなたは深い井戸を持っている その井戸から汲みだして人々にわた
しなさい』と 言ってくれました。わたしはおふたりから 生きることでも 
語ることでも とても多くのモノをいただきました。カナダはたいへんなことに
なっておりますが おふたりが変わらず元気でおられるよう 祈らずにはいられ
ません。

左がキャシー 右がリン 素晴らしいひとたち!!

つまり こういうことです。わたしの 目の前に 『語り』 という深い森のような
ひかりを湛えた砂漠のような魅力に溢れた世界があって それしか 見えなかった。
前に進むしかなかった まわりなんか見えなかった ..... まっすぐ前に進んだ。

それしかできなかった.... 先生は目をかけてくださったとわたしは 思っていたの
ですが 心中 腹が立つこともおありだったでしょう。だから ことばが思わず
噴出した.....  今 やっと わかった...... そしてその奥にさまざまなひとの事情が
あったのです。20年前のわたしは ずいぶんと若く まわりが見えずそれと知ら
ずにお騒がせだった...のだと思います。ごめんなさいねけれどわたし自身もとても
傷ついていました。恥ずかしいような 可哀想のような 想い出です。

訣別してから なにを しようとしたか .... 次回に つづきます。